9月の青年会

9月15日(日)礼拝終了後 会堂にて開催しました。
Amazing Graceを皆で教会員による編曲によって歌う。そして開会祈祷。ヨブ記第3章のヨブの「滅びよ、私が生まれたその日は」で始まる独白をテーマに、並木浩一著「ヨブ記を読もう」(日本基督教団出版局、2024年) p.42-48より読み解く。神による理不尽な試練のなかで、神による天地創造を否定して暗闇の世における虚しさに平安を求めようとしつつも、神の働きを信じているヨブの厳しい状況を理解するが、そもそも悪(サタン)はなぜ存在するのか、人間は言葉(言語)をもつことと関わるのではないか、など人間存在についての議論に発展、12時50分近く黙祷をもって終了。次回は10月20日(日)礼拝後。

⁂青年会は毎月第3日曜日、主日礼拝の後に会堂にて30 分~1時間ほど。誰でも参加自由です⁂

「滅びよ、私が生まれたその日は(第五回)」
(ヨブ記3章)

並木浩一「ヨブ記を読もう」(日本キリスト教団出版局、2024年)p.42-48

北原和夫牧師

 ヨブ記第二章の最後に三人の友人がやってきますが、ヨブの皮膚病を見て何もすることができずヨブと一緒に座っているだけでした。三章でヨブが「滅びよ、私が生まれたその日を・・・」から始まる嘆きを独白をします。信仰を捨てるわけにはいかないヨブは、自分の存在の否定から始まって創造世界の否定までに到ろうとするのです。

 ここで登場する「レビアタン」は旧約聖書に出てくる怪物です[1]。詩編74:14では天地創造のときに殺されたとしています。

74:12 しかし神よ、いにしえよりのわたしの王よ この地に救いの御業を果たされる方よ。
74:13 あなたは、御力をもって海を分け 大水の上で竜の頭を砕かれました。
74:14 レビヤタンの頭を打ち砕き それを砂漠の民の食糧とされたのもあなたです。

イザヤ書27章1節などでは主が罰するということが語られていて、神に敵対する力を表しているとされています。

(イザヤ書)27:1 その日、主は厳しく、大きく、強い剣をもって逃げる蛇レビヤタン、曲がりくねる蛇レビヤタンを罰し、また海にいる竜を殺される。

一方、レビヤタンも主が創造したものであるともされています(詩編104:26)

104:24 主よ、御業はいかにおびただしいことか。あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。地はお造りになったものに満ちている。
104:25 同じように、海も大きく豊かで その中を動きまわる大小の生き物は数知れない。
104:26 舟がそこを行き交い お造りになったレビヤタンもそこに戯れる。

 ヨブはレビヤタンの力を借りて、神の天地創造による光を闇にかえてしまいたい、というのです。
 11〜15節では「生まれて生き絶えていたら、安息を得ているだろうに。」16〜19節では、密かに埋められた死産児だったら、平安があったろうに」、20〜23節では「なぜ、苦しむものに光が、命があたえられるのか」、24〜26節では「恐れ、不安が私を襲うだけだ」と訴えます。神の理不尽から受けた傷から、神による天地創造をも否定して、暗闇の世における虚しさによる平安を求めようとしているのです。
 これを並木先生は「神の創造のわざに対する挑戦」と表現しています。それに対する神の応答は38章以下に述べられます。

[1]旧約新約聖書大辞典(教文館、1989年)p.1307

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