赤ちゃんがいる!

 「赤ちゃんがいる!見る見る!!」

 夕暮れの道、ベビーキャリアーに座っていた男の子が指をさして声を挙げた。教会の敷地にあるキリストの降誕のさまをあらわした小屋を指さしている。母親は少しバックして小屋の真ん中に飾られている一人の赤ちゃんをしげしげと見入っている。

 小屋は地面に置かれているので、小さな子どもでも中がよく見えるようになっている。マリアとヨセフ、羊飼いたちや三人の博士たちもいる。その小屋の内外は寒風にさらされている。

 救い主は、まさにそうした世の現実のさなかにお生まれになった。その様子を寒風に吹かれている人々が見入っている。携帯電話で撮影してどこかへ送っている人たちもよく見かける。寒風にさらされている赤ちゃんの姿が、その前を通り行く人々の思いを動かしている。

 もし生まれたばかりの赤ちゃんが、真冬の野外に本当に置かれたままならば、たちまち死に直面するだろう。死にさらされている赤ちゃん・・・しかし生き抜いていく。人々が生ける命に至るために。その姿を「命の木」を倣っているクリスマスツリーが表している。

 「暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の導く」幼子キリスト。クリスマスが伝えようとしているメッセージがここにある。

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